AINAVO REPORTアイナボホールディングス株主通信

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TOP MESSAGE
株式会社アイナボホールディングス 代表取締役社長 阿部 一成

株主の皆様には、日頃より格別のご支援を賜り厚く御礼申し上げます。
2024年9月期第2四半期業績につきましては、売上高461億60百万円(前年同期比4.8%増)、営業利益15億70百万円(前年同期比15.2%増)親会社株主に帰属する四半期純利益10億78百万円(前年同期比17.0%増)で、増収増益となりました。
増収の主な要因は、大型物件事業において、前期に子会社化した石材工事会社が連結業績数値に加わったことと、空調関連の大規模工事が好調だったことによるものです。また戸建住宅事業においては新規顧客開拓や新商材の取り扱いが伸びたことなどが売上高増に貢献しました。営業利益については、人件費等の販管費は増加したものの売上総利益率が改善され、それらのコストを吸収し、営業利益率は前年並みで推移しております。
当社を取り巻く事業環境は、新築住宅の着工数につきましては、貸家は前年比微減で推移しているものの、戸建分譲、持家ともに前年割れが常態化しております。また新築マンション着工数や民間非住宅投資のこの1年の累計は前年を約10%下落、公共建設投資についても前年並みか若干下回る状況で推移しており、資源、人件費高による価格の高騰や実失賃金の目減り、金利高への不安など更なる下振れ要素など非常に厳しい状況が続いています。そのような環境の中、当社グループの強みを活かし、第4次中期経営計画で公表した通り、社員の能力を活かす仕組みづくり、取り扱い商材の探求による販売から施工・工事まで行うトータル性を活かした既存事業を拡大するとともに、エリア拡大・取り扱い商材の拡大を目指したM&A戦略で着実に業績を拡大してまいります。
中間配当につきましては、期首中間予想配当と同額の一株当たり22円とさせていただきます。株主の皆様におかれましては、引き続き当社グループへのご理解ご支援を賜りますようお願い申し上げます。

株式会社アイナボホールディングス
代表取締役社長 阿部 一成

02
GROUP COMPANY
株式会社インテルグロー 代表取締役社長 鋤柄 禎彰

株式会社インテルグロー
代表取締役社長 鋤柄 禎彰

地域“ナンバーワン”の存在感で
アイナボグループの業績拡大に貢献

日本三大都市圏にそれぞれ拠点を置き、事業規模の拡大に取り組む
アイナボホールディングスを支えるグループ会社をご紹介します。
第1回は1932年(昭和7年)9月の創業以来、愛知県岡崎市でたしかな実績と
ノウハウをもつ株式会社インテルグローです。
2013年10月にアイナボグループとなった経緯、そしてグループ入り後の変化などについて
鋤柄代表取締役社長にお話を伺いました。

  • Question 1
  • Q.アイナボグループとしてインテルグローが手がけている事業について教えてください。
  • A.中部・東海3県を営業エリアとする住宅設備機器・建材の販売と施工・工事の管理を手がける会社です。

インテルグローは1932年に私の祖父が創業した建材会社です。1937年には伊奈製陶(現LIXIL)の特約代理店として、住宅設備機器・建材の販売、及び施工・工事の管理を一貫して手がけてきました。建材会社というと、どうしてもダンプカーやトラックに土を積んで現場へ運ぶ“建材店”のイメージが強く、これを変えるために1991年に現在の社名に変更しました。社名は「より快適な住空間づくりと情報(INTELLIGENCE:インテリジェンス)の提供を目指し、より一層磨きをかけ、育てよう(GROW:グロー)」という想いを込めています。

私たちは、「より豊かな生活環境づくり」を基本テーマに、快適な製品及び情報の提供を通じて、人にやさしい文化を創造し、社会に貢献します。

本社を置く愛知県をはじめ、三重県・静岡県に事業拠点を設け、中部・東海の3県を営業エリアとしています。現在は、住宅設備機器・建材をハウスメーカーや工務店に販売する事業が全体の47%、販売に伴う施工・工事の管理事業が全体の53%を占めています。創業から今年で92年を迎えますが、中部エリアでの住宅設備機器の販売では“地域ナンバーワン”を自負できるのがインテルグローの誇りです。

  • Question 2
  • Q.2013年10月にアイナボグループの一員になりました。その背景や経緯を教えてください。
  • A.需要が大きく変わっていく中で、自社の優位性を発揮しながらの事業存続を見据えて決断しました。

以前は家を建てるなら地元の工務店や地場住宅会社という地域密着型の需要が大半でした。しかし、全国規模でビジネスを展開する大手ハウスメーカーやパワービルダーが勢力を拡大し、コストパフォーマンスの高いサービスへの要望が高まってきました。またお客様のニーズとともに住宅設備機器・建材の販売チャネルも多様化し、自分たちの見えている相手との競合、競争ではなくなってくる危機感を感じていました。そして、その中で自社だけで生き残っていくだけではなく、同じビジネスでともに努力し、成長してきた企業と一緒になる選択肢もあると考えていました。
そこで阿部社長に声をかけていただいた際、私や先代が信頼を寄せて身を預けても良いと決断し、アイナボホールディングスの子会社になりました。
そして、「社名を変えず存続すること」、「経営トップが変わらないこと」、「従業員の給与と待遇が良くなること」の3つを実現する覚悟でやってきました。グループ会社になってひとつの区切りとして考えていた10年が経ちましたが、この3つを実現できたことは私の決断を受け止めてくれて一緒に努力し、結果を出してきた従業員たちと、任せていただけたグループトップの阿部社長のおかげです。感謝し、御礼申し上げたいと思います。

  • Question 3
  • Q.グループ入り後の事業の変化について教えてください。
  • A.ひとつのメーカーに依存することのない経営へ。ノウハウの共有でグループ会社の強みを発揮しています。

アイナボホールディングスにグループ入りするまでは、数多くあるメーカーの中でもLIXIL製品の取り扱い比率がきわめて高く、約75%を占めていました。現在、LIXIL製品の取り扱いは当時より伸びていますが、取り扱い比率は約49%となっています。これは数多くあるメーカーを取り扱うことで、多様化するお客様のニーズに対応でき、ひとつのメーカーに依存することのない経営へと変化をしてきたと言えます。更に、タイルの「Maristo」、高級アクリルバスタブの「Artis」など、アイナボグループオリジナル商品のラインナップがあることで、既存メーカーや流通チャネルなどを気にせず、かつ自社ブランドを持つ誇りを持つことができ、意欲的に営業行動をとれることがインテルグローの新たな強みとなっています。
また、グループ入り後はアイナボグループの主要な事業会社であるアベルコで培ってきた事業戦略やノウハウを共有していただいたことも大きな変化です。アベルコをひとつの目標とすることで、従業員から「やらなければいけないことが明確になった」という声があがっています。

  • Question 4
  • Q.アイナボグループとしていま重点的に取り組んでいること、将来の展望を教えてください。
  • A.グループの中核として“やりがいのある職場づくり”と更なる業績の拡大を目指します。

インテルグローは、アイナボグループではアベルコに次ぐ規模で、最初に買収された会社ですので、他の事業会社の模範となっていかなければならないと考えています。関東・東北エリアを中心に大きく業績に貢献しているアベルコを目標に、インテルグローは中部エリアでの売上アップにより、しっかり貢献していきたいと思います。
また、アベルコに比べ従業員一人当たりの売上や粗利益が7割程度とかなり低い状況ですので、事業効率と生産性の向上にしっかりと取り組んでまいります。

これからは顧客であるハウスメーカー、工務店に対して、住宅の基礎と躯体(コンクリートや鉄骨、木材等)以外の商材は全てインテルグローにオーダーいただける体制を整えていきます。更に、単工種だけではなく、複合及び一括請負工事の施工・工事の管理までをお任せいただくことのメリットをはっきり伝えていく取り組みを進めています。そのための課題となってくるのが施工・工事業務の内製化であり、アベルコと同様に、インテルグローも管理者と施工・工事業者の確保を進めています。

また祖父の代から長年にわたって受け継いできた老舗の中小企業から、アイナボグループの事業会社となりましたが、会社の変化とともに、 “利益の源(みなもと)は従業員の力にある”という意識がより大きくなってきました。利益という数字だけに意識を向けていると安易に人件費の削減を考えてしまいますが、人材がいなければ事業の目的も将来の目標も実現できません。現在、従業員が日々やりがいを感じて働ける職場環境づくりに取り組むことで、離職率が大幅に下がりました。そしてリファラル制度の利用など、新たな仲間の採用も積極的に進めています。

グループの中核として“やりがいのある職場づくり”と更なる業績の拡大を目指します。

最後にインテルグローはアイナボグループの事業会社ですが、インテルグローとして経営の挑戦は続けていきます。グループ内で先行しているアベルコに学び、自らが様々な新規事業に取り組みながら改革を進め、勝ち続けること。この強い意志と行動を持ち続けてグループのさらなる業績拡大を目指します。

03
TOPICS

株主の皆様からのご質問に
お答えします!

  • 中期的な数値目標について教えてください。

    2025年9月期に売上高970億円、営業利益25億円、営業利益率2.6%を掲げています。
    当期は3か年計画の2年目にあたり、当期の業績予想数値は達成可能とみています。最終年度達成のための50億円の売上増に対しては、建材や水回りなどの既存事業の体質強化で30億円、新商材・新市場の開拓で10億円、M&Aを利用した営業エリア拡大で10億円などをベースに業績の拡大を目指します。

  • ROE目標や現在のPBRについてどのように
    認識されていますか?

    まずは営業利益率改善に取り組みます。安定的に4%以上を達成することで10%のROEは可能となります。成長事業への挑戦や生産性の向上による筋肉質の企業体質を目指すことで、一株当たり利益を増加させるとともに株主様への利益還元も積極的に行います。また、投資家向けの事業説明や会話の機会を増やし経営に活かしていくことで、PBR1倍割れの株価の上昇も図ってまいります。

  • 物流体制の見直し、物流網(首都・中部・関西)の再構築の実施とありますが、具体的な進捗状況を教えてください。

    重くて大きい建材や水回り商材の販売や工事を行う当社の事業形態にとって物流機能の充実は最重要課題であります。今後はグループ内の物流機能を集約し内製化を進めます。現在は事業会社がそれぞれの地域特性に基づき物流サービスを展開していますが、働き手不足等の要因などから、サービスの低下やコストの増加による業績への影響も懸念されている状況です。グループ内に物流会社を設立することで、物流品質の安定化とドライバーの確保を維持していくとともに、将来的な経済的リスクに備えてまいります。

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