主要な経営指針

2024年9月期の概況について

 当連結会計年度における我が国経済は、所得環境の改善に伴い、4-6月期には個人消費が5四半期ぶりに増加したほか、外需が牽引役となり、底堅い企業収益を背景とした民間設備投資の回復も継続するなど、デフレ局面から脱しつつある状況で推移しました。一方で、先行きについては、海外経済の悪化による輸出の減速や、物価高騰による個人消費の停滞など、国内景気を下押しするリスクにも警戒が必要な状況で推移しました。
 当社グループの属する建設関連の市場におきましては、住宅ローン金利の上昇懸念や、建築コストの増加による住宅取得価格の上昇を背景に、新築向けの住宅需要は減速傾向で推移しました。一方で、住宅リフォーム需要、民間非住宅投資については持ち直しの傾向が見られました。
 このような環境の下、当社グループは、当期が2期目にあたる第4次中期3か年計画に基づき、当社の基盤事業である戸建住宅向けのタイル、石材、住宅設備、衛生機器等の販売・工事に加え、重点商材と位置付けているサッシ、サイディング、空調機器、内装建材の拡販に取り組みました。また、それら商材の拡販スピードを速めるためのM&Aの戦略も着実に進めてまいりました。
 この結果、当連結会計年度の業績は、売上高は897億82百万円と前連結会計年度に比べ36億96百万円の増収(4.3%増)となりました。増収の主な要因としましては、戸建住宅向けの住宅設備工事、大型物件向けの建材工事が増加したことよるものであります。
 損益面につきましては、営業利益は大型物件事業の売上総利益率が上昇したことにより、21億71百万円と前連結会計年度に比べ4億1百万円の増益(22.7%増)、経常利益は24億77百万円と前連結会計年度に比べ4億9百万円の増益(19.8%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は12億68百万円と前連結会計年度に比べ5百万円の減益(0.4%減)となりました。

 

2025年9月期見通しについて

 今後の見通しにつきましては、国内の景気は緩やかな改善が継続すると予想されます。賃上げ率は鈍化するものの、物価上昇率も弱まることで実質賃金が押し上げられ、個人消費は緩やかに回復することが見込まれます。設備投資についても金融緩和による外需の持ち直しやデジタル技術投資、脱炭素関連技術投資などにより回復が継続することが見込まれます。一方で、円高への転換、中国経済の停滞長期化、消費増税や金融引き締めによる緊縮財政化への傾倒など、景気後退のリスク要因も潜んでおり、国内経済の先行きは見通しが立てづらい状況にあります。
 住宅・建設関連業界におきましては、住宅金利の上昇、建築コストの高騰や不動産価格の上昇などの影響により、建設投資や住宅需要が後退するなどの厳しい事業環境が予想されます。
 そのような状況のなか、当社グループは、引き続き新規顧客開拓に重点を置き、商材の拡充と施工力の増強に努めてまいります。

当社グループは、以下の主要課題の達成に向けて引き続き注力してまいります。
①グループの成長スピードを上げるための戦略的意思決定
 今後も持続的成長のためのM&Aを積極的に実施し、営業エリア及び商材・施工力の補完を図ってまいります。2024年10月には宮城県仙台市にあるガラス加工会社を買収しました。これにより東北エリアの営業力の強化を図るとともに、拠点・事業の再編を進めてまいります。
②市場環境の変化に備え、ビジネスモデルを変革し、グループシナジーを早期に実現する。
 グループ内において、サッシ、サイディング、木質建材、空調機器工事、買取再販事業を業績拡大策のための共通課題として取り組むとともに、調達先や外注先の共有化や工事管理体制の統一化を図ってまいります。2024年9月期においては、工事管理の効率化を図るため、カメラ等のシステムを利用した遠隔工事管理の方法を首都圏において導入いたしました。また、業務効率の改善のため、AIを取り入れたシステムの検討にも着手しました。
③人材の戦略的な活用
 グループ内における人事制度や研修制度の統一化を推進し、グループ間での交流や異動を促進してまいります。また、中途採用の比率を高めるとともに、外国人の採用も積極的に進めてまいります。2024年9月期において、技術・人文知識・国際業務の在留資格を有した社員は68人在籍し、グループ各社に配置しております。

 

 

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